FRONTE 360
暑い時や暖房のきいた部屋で飲む冷えたビールとコーラは格別だ。
・・・で、ここでは運転をしながらでも飲めるコーラのお話。
コーラの誕生は、コカ・コーラが明治19(1886)年で、ベンツとダイムラーが各々開発したとされるガソリン車の誕生と同じ年だ。ペプシは明治31(1898)年でいずれも120年以上の歴史がある。日本での販売開始は両社とも昭和32(1957)年だからそれとて62年も前のこと。
日本コカ・コーラのHPによれば、コカ・コーラのボトルは百科事典に載っていたココア豆の挿絵からヒントを得たデザイン、暗闇でもそれとわかるようにデザインされたボトル自体が登録商標とのこと。「コークボトル」と呼ばれている。
そこで今回は、「コークボトルライン」で始まった『FRONTE 360』をご紹介する。
昭和30(1955)年発売の「スズライトSF」シリーズから「FRONTE 360 FEA」シリーズまで商用車応用時のスペース確保に優位な「FF」を貫いたが、昭和42(1967)年にこのくるまを誕生させた際に大変身する。乗用車としてのスペース確保に最適とされた「RR」を採用したのだ。
「2ストローク3気筒7ベアリング、直接給油方式(CCI)25ps」エンジンを横置きし、4輪独立、卵型ボディでの登場だった。翌昭和43(1968)年には3キャブレターの径を拡大し36psを発生させた「SS」が登場。発売前にはイタリアの「太陽の道ミラノ→ローマ→ナポリ間747km」をイギリスの名ドライバー「スターリング・モス」と日本の名ライダー「伊藤光夫」が2台の「SS」で高速走行するという一大キャンペーンを展開、「平均時速122.4kmで走破」し、「高速耐久性を実証」した。
ところで、『FRONTE 360』誕生の昭和42(1967)年に誕生した同期生は「リカちゃん」や「チョコボール」などと深夜放送の「JET STREAM」と「オールナイトニッポン」など。
さて、誕生の頃と思われるカタログからの画像をご紹介する。
うしろには先輩の「FRONTE 800」も…。
さらに、「全車種にヘッドレスト・安全ベルトを標準装備するなど、より安全性に対する配慮を随所にほどこしました。」とされたMC「安全宣言車」カタログからの画像をご紹介するが、「●ヘッドレスト一体の豪華なシート・安全ベルトも標準装備」の下に「(助手席はオプション)」となっているあたりが時代を感じさせる。
そして、「新発売SS」と同時期の総合カタログからの画像もお楽しみいただく。
よみがえった方があれば嬉しいが如何だろうか。
(敬称略)
[2019‐6改]