FRONTE 73

昭和30(1955)年発売の「SUZULIGHT」。

〈スズキ歴史館展示車〉…小生撮影

「FRONTE」の歴史はこのくるまを進化させ昭和37(1962)年に誕生した「SUZULIGHT FRONTE TLA」から始まった。

昭和42(1967)年登場の2代目が

「コークボトルライン」の「FRONTE 360」だ。 

それから、昭和45(1970)年後半に3代目前期型とされる71年型「FRONTE 71」が登場。

先代の「FRONTE 360」と同様「RR」で、エンジンは「空冷2ストローク3気筒3キャブレター7ベアリング、直接給油方式(CCI)30ps・31ps・34ps・36ps」の4タイプが設定された。

4輪独立で、「FRONTE 360」とは全く違う「スティングレイ・ルック」とされる「広く、低く、鋭く…」を追及したボディ形状だった。「スティングレイ」は言うまでもなく「エイ」のことだ。

翌昭和46(1971)年には3代目後期型の72年型「FRONTE 72」に進む。

そして翌昭和47(1972)年秋に今回ご紹介の3代目最終型とされる「FRONTE 73」に進化する。

「71」「72」同様「スティングレイ・ルック」だが、グリルのデザインが変更されボンネットにくっきりした出っ張りをもたせ、バンパーの形状変更、ヘッドライトを角から丸にするなどより精悍になった。

喚起性能の向上で3角窓をなくしすっきり感を増した感じだった。

水冷中心の車種構成で、主力のエンジンは従来からの「LC10W」型を搭載したが問題視され始めた公害対策として吸気系の「SRIS(SUZUKI・RECYCLE・INJECTION・SYSTEM)」などがシステム化された。

登場の昭和47(1972)年の政界は佐藤栄作から田中角栄にバトンが渡された年。

日中国交正常化がなされ中国から寄贈された2頭のパンダが上野動物園で公開され人気を博した。

自動車用の初心者マークが登場したのもこの年だった。

また、新型コロナ渦になくてはならない大活躍の医療用電子体温計の1号機が立石電機から登場した年でもある。

早期の終息を願うばかりだ。

(敬称略)

[2020‐12]

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