HONDA1300 99S
ホンダの四輪車製造は国内最後発だが、本田宗一郎にとって「許しがたい、理不尽な国策」への対抗策でもあった。
昭和38(1963)年、2車種を発売した。
そのずっと後(詳細記憶していないが、発売から50年くらい?だと思われる)にホンダが発行した「HONDA magazine」の中に、「挑戦する心 はじまりは、軽トラックとスポーツカー。」と題するコラムを目にしたが、『「生活のお役に立つ」軽トラック。「走りを楽しむ」スポーツカー。「人々のお役に立ちたい」という想いと「走りの楽しさを味わいたい」という想い。そんな2台のクルマを同年に発売。それが、ホンダの原点であり、今も昔も変わらない想いがここにあります。』と記されていた。
あくまでも小生の感想だが、最初がDOHC搭載のトラックで、直後にはスポーツカーという実にホンダらしい、いや、本田宗一郎らしい‼ものだった。
その後N360と1300が登場するが、いずれも本田宗一郎こだわりのくるまだった。
今回ご紹介するのは、その1300シリーズのスポーツバァージョン『HONDA1300 99S』。
見開きカタログ

の冒頭には、「話題の焦点—驚異の<115馬力>スーパーセダン!」とある。
次のページには、

「空冷エンジンの革命! 静かでパワーにあふれた<DDAC(デュオ ダイナ エア クーリング)>エンジン!―豪華!快適! カーインテリアの粋!」と記されている。
諸元表は、

「ホンダ式特殊強制空冷OHC横置き並列4気筒4キャブレター1298cc・出力115ps/7500rpm・最大トルク12.05kg‐m/5500rpm・最高速度185km/h・0→400m加速16.9秒(5人乗車時)・前輪駆動・4輪独立懸架・サスペンション(前:マクファーソン式・後:クロスビーム式)・前輪サーボ付ディスクブレーキ・高速用超偏平タイヤ・衝撃吸収ハンドル・4速フロアシフト・前席バケットシート・4ドア5人乗り・燃費18km/ℓ」とされている。
その他の特徴的な部分は下のページの通りまとめている。

さらに、最後に

前輪駆動! 独自の四輪独立懸架で抜群の走行安定性!としてまとめ、全体スケルトン画像で締めている。
とにかく、いかにも当時のホンダらしいくるまだった。
小生の当時の感触も本田宗一郎そのものだった記憶だが、
その後「ヒットしたはずのN360が欠陥車に転落、1300は売れない。」という大変な時代を歩むこととなった。
こうした歴史を思い出すと、現代の躍進が信じられない。
(敬称略)
[2025-9]