PRINCE GRAND GLORIA
「PRINCE」の名が示している通りもともと高級志向だった富士精密工業は、昭和31(1956)の「第3回全日本自動車ショウ」に6人乗り大型乗用車「BNSJ」
[プリンス自販発行「プリンスのあゆみ」より]
を試作発表している。
その後、昭和32(1957)年に「SKYLINE」
[カタログから]
を発表。
そして、昭和34(1959)年「SKYLINE」をベースにその1500ccをボアアップしたエンジンは1900cc「GB30」型(水冷4気筒直列頭上弁型80HP/4800rpm14.9kg-m/2400rpm)エンジンを搭載し、全面的にグレードアップしたのが初代「GLORIA」
[カタログに挿入されたカード(写真のように見えるが、絵だと聞いた)]
だ。
「SKYLINE」誕生2年後の発売だが、この年、初のJET旅客機がロンドンから羽田に飛来し、当時のアメ車風テールフィンのイメージが更に引き立ったような出来事だったことを想い出す。
車名は当時の皇太子(現上皇)のご成婚を記念しての命名だというが、高級車に相応しい「栄光」を意味するラテン語だ。
次の画像は、プリンス自販が発行した総合カタログからのもので昭和35(1960)年のマイナーチェンジ後のモデル。
外観上一目でわかる変更点が2灯式から国産初の4灯式になったことで、益々高級感を増している。
そして、昭和36(1961)年の更なるパワーアップなどのマイナーチェンジ後、昭和37(1962)年にスカイラインの流れから離れ2代目として大変身を遂げることになる。
初対面の印象は、カルチャーショックとでも言おうか、
一瞬、これは国産車か⁉…と思ったことを想い出す。
ボデーデザインについて、リヤーはフロントと比較して地味なデザインだ⁉と思ったことが記憶に新しい。
「サイドメンバー型トレー式」フレームに走行装置は「前車軸」[独立懸架式(ウィッシュボン ボールジョイント式)]、「後車軸」[ド・ディオン式]を採用。
エンジンは1900cc「G2」型(水冷直立4気筒頭上弁式94ps/4800rpm15.6kg-m/3600rpm)を搭載した。
翌昭和38(1963)年、国産量産乗用車初の直列6気筒2000cc「G7」型105ps/5200rpm16.0kgf・m/3600rpm)エンジン搭載「SUPER6」を追加。
翌昭和39(1964)年の東京オリンピック開催直前に今回ご紹介する3ナンバー車『GRAND GLORIA』が登場する。
デザイン自体は変わらないが全体に豪華な意匠を施し、エンジンは2500cc「G11」型(水冷直列6気筒頭上弁式(SOHC)130ps/5200rpm20.0kg‐m/3200rpm)を搭載した。
ここに登場時発行のカタログからの画像をご紹介するが、高級車にふさわしくカタログも凝ったものになっている。
一般的なカタログの様に製本されておらず、以下の3枚目までと最後が十字形に風呂敷の様に開いた中に4枚目から10枚目までが格納される形になっている。
豪華なイメージをご堪能頂けただろうか。
(敬称略)
[2023-2]