DATSUN CABLIGHT [1st]
昭和32(1957)年に試作が決定され、翌昭和33(1958)年に発売された『DATSUN CABLIGHT』。
異例とも言える短い期間で登場したが、社史によれば開発コンセプトは「簡素で実用的な超廉価車」だったからうなづける。
特徴を社史から抜粋すると
「A. 足がわりに気楽に使えるきわめて経済的な、しかも高性能のセミキャブオーバー型」
「B. 乗り降りが容易で、運転席はゆったりし、助手席の足もとは広々として、申し分のない居住性」
「C. ダットサン乗用車と同一仕様のフロントスプリングのため、乗用車と変わらない乗心地」
「Ð. この型式の車としては最初の、直接レバー式の4段シンクロメッシュ式トランスミッションを採用しているため、変速操作は非常に円滑」
「E. 車体が広く、高い走行安定性」
「F. エンジン、フレーム、足まわりは他の追随を許さぬ耐久性」
「G. せまい所にも自由に出入りできる極めて小さい回転半径」
「H. 操作のやさしいつりさげ式ペダル」
「I. 便利なイグニッションスタート方式」
「J. ダットサンと共通部品が多いのでサービスは完璧」
とされている。
エンジンは「B1型」860cc水冷4サイクル側弁式(ガソリン)直列4気筒27PS(4200rpm)5.3Kgm(2400rpm)が搭載されトランスミッションは前進4段、後退1段(第2,3、4速シンクロメッシュ式)リモート・コントロール式が装備された。
スプリングは「並行半楕円式」で前には950×45×5mm7枚を、後は1100×60×6mm9枚を採用した。
当時少年だった小生は、「飾りっ気なく、ごついが、丈夫そうで好き」だった記憶だ。
その後昭和36(1961)年、2代目に進化。
翌昭和37(1962)年のMCで1000ccにサイズアップ。
昭和39(1964)年に3代目が登場。
昭和41(1966)年のMCで1100ccにサイズアップし、昭和43(1968)年に後継の「CABSTAR」にバトンタッチした。
ここで、2代目初期型と思われるカタログからの画像をご紹介する。
ほとんどが絵で表現された、好きなカタログの1つだ。
自動車ファンとしては、当時の勢いある日産が懐かしい。
(敬称略)
[2022-2]