HONDA 1300 COUPE 7/9
天気予報で大活躍の「AMeDAS(地域気象観測システム)」。
気象庁ホームページによれば、運用開始が昭和49(1974)年11月1日。
現在全国約1300ヶ所(約17km間隔)に設置され、内約840ヶ所(約21km)では降水量に加え、風向・風速・気温・湿度も観測、雪の多い地方の約330ヶ所では積雪の深さも観測しているという。
そこで今回は、お世話になっている「全国約1300ヶ所」にこだわり、感謝しながら『HONDA1300 COUPE 7/9』をご紹介する。
ベースの「HONDA1300」は昭和43(1968)年の東京モーターショーに登場、翌昭和44(1969)年に発売された。
当時のカタログ表記からまとめると1300cc「OHC並列4気筒(前輪駆動方式)」で、当時のF-1マシーンにも採用された「DDAC(1体式2重空冷)方式」や「ドライサンプ潤滑方式」を採用した本田宗一郎こだわりの空冷だった。
当初の設定は「セダン」のみの「77」と「99」の2グレードで、
「77」
はシングルキャブ(気化器「横向可変ベンチュリー型1個」)でも100ps、4キャブ(「同型4個」)の
「99」
は115psの高出力を誇った。
また、後輪を独特な「クロスビーム式」にするなど乗り心地重視とされた4輪独立懸架だった。
しかし、エンジンにシャシーが負けるアンバランスなどトラブルが続出、発売後半年あまりで「77」を95ps、「99」を110psにデチューンするなど変更されたが、翌昭和45(1970)年には今回ご紹介の「クーペ」を加えバリエーションを広げた。
「クーペ」も、エンジンは「セダン」同様シングルキャブ95ps、4キャブ110psを搭載、前者を『7』後者を『9』と命名、足回りを硬くするなどエンジンによりマッチしたシャシーへの改善が図られての登場だった。
当時のニュースリリースには特長として
- 流麗なボディスタイリング」
- 機能美と豪華さをあわせてもつ運転席」
- ベースはスーパーセダンHONDA 1300が誇る高級な動力機構」
- すべての機構・レイアウト・デザインがホンダの提唱する「積極安全思想」で貫かれています。」を列記している。
ここに、登場の昭和45(1970)年発行のカタログからの画像をご紹介する。
さらに同年、「セダン」「クーペ」共に別チューンの80psエンジンを搭載してスムーズな走りにこだわったAT車も追加した。
本田宗一郎の空冷主義、最後のこだわりとなった「1300」シリーズ。
歴史を感じる。
ところで、小生所有の昭和のカタログの横幅は大半が約250mmだが、このカタログの横幅は約220mmで短めだ。
これとは別に、同車の写真集に近い横幅約450mm(開けば約1m)の細長いカタログがある。
おそらく横幅世界一のカタログだろうと思うが、別途ご紹介するのでお楽しみに。
さて、登場の昭和45(1970)年はアメリカ軍が嘉手納基地を新たな輸送戦略基地に決めた年。
また、トミーの「トミカ」が誕生した年だが、この年発売の7車種の中に「9」があった。
トミカの歴史も長い。
結果的には本田宗一郎こだわりのくるま最終版だった。
(敬称略)
[2022-2]