霊柩車
小生のくるま好きは幼児の頃からだから既に75年以上にもなるが、特にクレーン車や救急車や消防車などの特装車には興味を持っていた。
霊柩車に興味を持ったのは、状況証拠から記憶を辿ると、おそらく平成2(1990)年あたりに「霊柩車の誕生」(朝日選書402/井上章一著)が出版されているのを新聞広告で知ってのことだったと思う。
早速手に入れ夢中で読んだ。
帯に記された「あの霊柩車の発祥を日本の葬送の変遷の中で解明しつつ近代都市民俗を浮き彫りにする文化人類学の新たな一ページ」の通りだった。
その後「The霊柩車」(祥伝社/井上章一・町田忍著)を読んだことで、霊柩車のカタログがあることを知った。
この本には「近代日本の一面を読みとる醍醐味」とあり、帯には「今まで誰も論じなかった、独自の美と死生観」とあるが、写真も多くわかりやすい。
少々横道にそれるが、小生はピロリ菌にやられて胃から大量出血した際にうその様に気持ち良くなって「三途の川」を目の当たりにした。
しかしながら、現在まで元気に活動出来ているのはあの時の「横浜労災病院」の女医さんはじめ関係者のおかげで感謝に堪えないが、良い経験をした。
ここに、霊柩車にもカタログが存在することを知って「株式会社 米津工房」を訪問した際に入手したカタログからの画像をご紹介するので、厳粛な気持ちでご覧頂きたい。
我カタログコレクションの中でも貴重な逸品だ。
昨今の我地元では目立たない洋式霊柩車や、参列者も同乗できるバス型などが多く使われ、宮型はほとんど見られなくなったが、全国的にはさまざまの様で興味深い。
一方、火葬場近隣住民の意向をくんで火葬場到着までの走行中は一般のワンボックス車に見えるよう工夫された車両なども製造されている。
これらについては、別途ご紹介する。
子供の頃、「霊柩車を見たら、親指を隠さないと親の死に目に会えないぞ」などと言われた記憶だ。
(敬称略)
[2024‐11]