ISUZU ELF [1st]…[Ⅱ]
歴史ある「いすゞ」の中核を成し、小型トラックの代表格で高シェアを誇る『エルフ』の初代最終モデルをご紹介する。
初代
の誕生は昭和34(1959)年の事。フルキャブオーバー型トラックで、当時の小型車枠に収まる1500ccのガソリン直列4気筒60psを搭載して多彩な応用車も揃えての登場だった。
翌昭和35(1960)年には、小型トラック日本初のディーゼルエンジン搭載車を加える。
中大型トラックで定評あるディーゼル技術を小型車に広げた事はいすゞらしい決断だったと思う。
このディーゼル車は4気筒2000cc52psで当初小型車枠を超えていたが、同年改定の新規格によって小型車扱いとなった事も功を奏して販売台数を伸ばし、いすゞの中核を成す事となる。
その後、ガソリン車72ps、ディーゼル車55psにパワーアップ。
昭和39(1964)年には、エンジンをサイズアップし、ガソリン車2000cc85ps、ディーゼル車2200cc62psに各々大幅にパワーアップする。
昭和40(1965)年、4灯式ヘッドランプに変更、ダブルタイヤ車を追加し、翌昭和41(1966)年にはディーゼルエンジンのシリンダーに「クロマードライナー」を採用する事で耐久性も大幅に向上させている。
ここに昭和42(1967)年4月の発行と思われるカタログからの画像をご紹介する。
そして、誕生からおよそ10年後の昭和43(1968)年に2代目に引き継がれる。
ところで、10年以上も前(初代誕生から半世紀近い頃)のことだったと記憶しているが、「某運送会社の社長から、運転手さん達の体がエルフの形になっている」と聞いたライバルメーカーの営業部員と会う機会があって、私もなるほどと思ったのを鮮明に覚えているが、高シェアに納得の一コマだった。
(敬称略)
[2022‐10]