COLT 800

「連想ゲーム」…。

昭和40年代にスタートしたNHKの人気番組だ。白組(男性)・赤組(女性)、各々のキャプテンが、例えば「水着、うちわ、かき氷等々」のヒントからメンバー(解答者たち)に正解の「夏」を連想させるというものだ。加藤芳郎や中村メイコなどの名キャプテンぶりが鮮明に想い出される。もちろん、番組では商標や固有名詞は出せないが、ここで「コルト」と言ったら何を連想するか?…「三菱の乗用車」か「自動拳銃」と答える方は多いだろう。

確かに「コルト」(商標)は著名な拳銃だ…が、(「コルト」によるという意味ではなく)最近も頻発するアメリカでの乱射事件などは連想したくないものだ。トランプ大統領はどう対処するのか?難しい問題だ。

さて、本題の三菱「コルト」だが、こちらは「子馬(特に雄の競走馬など)」を意味する英語の命名だ。今回取り上げた『COLT 800』は昭和40(1965)年に発売されたが、このくるまが世に出た時、国民車構想を睨んでの「三菱500」、「COLT 600」に次いで既に発売されていた「COLT 1000」


の弟分かと思っていた。排気量の順番が不思議だと思いながらも…。

しかし、全くつながりのない別系統の開発だと後で知って驚いた記憶だ。

確かに「COLT 1000」とは全く異なるわが国初の「ファ-ストバック」だった。

わずかではあるが貴重な画像を見ていただいた通りサイドウインドウにもカーブドグラスを採用したことでその特徴がおおいに活かされ、広い室内空間が確保された。経済性が高く、低速時の安定性を実現したとされる3G8型800cc水冷2ストローク3気筒直列45psエンジンを搭載するなど機構的にも特長的だった。

そして、翌昭和41(1966)年に1000cc「1000F」を追加するが、そちらは別途ご紹介する。

ところで発売の昭和40(1965)年の大きな出来事としては、日朝基本条約の締結や日本が国連安全保障理事会の非常任理事国になったことなどが挙げられる。また、マイカーブームが起こったのがこの年あたりと言われる。

一方で、国鉄(当時)が「みどりの窓口」を開設、日本航空がわが国初の海外パッケージ・ツアー「ジャルパック」を発売、日本カーフェリー会社(当時)が川崎~木更津間にフェリーを就航させるなど高度経済成長にともなって庶民の生活にも余裕が出てきたことが連想された。

そう、「11PM」が始まったのもこの年だ。テレビと言えば「私にも移せますゥ」が流行語にもなったフジカシングル8の発売がこの年で、驚くなかれ国土交通大臣、参議院議長などの要職を歴任し、その後引退した扇千景が女優時代に登場したCMがなんとも懐かしい。

(敬称略)〔2019‐1改〕

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